駆け抜けるシューティングスター
追いかけて星になる
星屑は歌う。
何度も裏切る自分、思うように動かない自分。
そんな不信と失意の中で、夜空に輝く光を歌う。
皮肉なものだ、と僕は思った。
流星とは、大気圏で燃え尽き消え去る塵が放つ輝き。
それを追うなんて。
だけど。
仮に流星がそのようなものだと知っていたとしてもきっと。
あの星屑は、流星を追うのだろう。
「ただ歌えることが幸せ」と語った無垢が剥がれ落ち、「勝ちたい」という熱が表れる。
その様を見て、そう思った。
聴覚の檻を脱し、鈍色の線で踏み留まり、無垢の境界へと辿り着き。
勝利を望み熱を放つその様は、もう無垢ではない。
勝利への欲求。強い推進力となり、同時に魂を濁らせ得る熱の塊を携えて。
それは、さながら身を焼き輝く流星のように。
星屑は──澁谷かのんは。
あの歌で追いかけた流星に、なったのだ。
(「ラブライブ !スーパースター!! #12 Song For All」感想)
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