薄陽がそっと祝うなら
ーー記憶領域検索開始
ーー該当事象捕捉、摘出開始
ーー摘出中…………摘出、完了
ーー閲覧者の生体情報を確認中……
ーー確認完了、適正ユーザーです
ーー記憶閲覧機能の展開を開始します
🌑 Behind Moon Archives
(2018/3/10, 2018/6/8-11)
続きを読む
ピアノフォルテの女
僕は、桜内梨子のオタクです。
ライブでは基本的にサクラピンクのサイリウムを振り、グッズも彼女のものを購入し、部屋はそれらで満ちている。
食事をしようとしてメニューにタマゴサンドがあればそれを注文するし、淡いピンクや桜のモチーフが使われた小物を見つけるとつい手に取ってしまう。何を聴こうか迷ったら、取り敢えずピアノの目立つ曲を聴く。
外出したり旅行をしたりした際、何か綺麗な景色や建物を見れば「彼女はどう感じるだろうか」とか「どんな感想を言うのだろうか」と考え、繊細なアクセサリーや可愛らしい装飾品を見かけると「彼女に似合うだろうか」と考える。
しょっちゅう彼女の何かしらについて考えていて、精神が沈んだらその姿や声に癒されている。
そんな、所謂「梨子推しのオタク」の1人です。
では、「なぜ桜内梨子なのか」と問われたら。
「文句言っても、誰もやってくれないわよ」
僕は、このシーンで心を掴まれたからと答えます。
意外でしょうか。
もっとドラマチックなシーンも沢山ありますからね。
でも、事実として僕が心を掴まれたのはこのシーンです。
それまでふらふらしていた心は、このシーンを目の当たりにしたその日から一切揺れなくなりました。
それまでは、育ちが良くて繊細で、引っ込み思案なイメージだった彼女が、途端に強くて逞しい人に見えて。
その唐突に現れた逞しさに、僕はすっかり惚れ込んでしまったのでした。
繊細なようで、逞しい。
傷付きやすいようで、とてもタフ。
弱いように見えて、強い。
そんな、僕が好きなひとの話を少しだけ。
お付き合いいただけたら、幸いです。
続きを読む